- 2016-5-11
- コラム
歯科医院には、赤ちゃん、学生、社会人、年輩の方等、様々な患者様が来院されます。
皆様の中には全ての年代の方に満足していただける歯科医院づくりというものを目指している方がおられます。
しかし、本当に全ての年代に満足していただける歯科医院は存在するのでしょうか?
私が拝見してきた多くの歯科医院では、全ての患者様に満足していただける歯科医院を目指していました。
しかし、結果として全ての患者様に満足していただこうと思えば思うほど、逆に全ての患者様に対して、満足を提供出来なくなってしまいました。
その背景として、現代は、多様な価値観が混在する世の中であると言えます。価値観が違うのは、育ってきた環境が違うからです。
昔は、価値観が全く異なるということは少なかったようです。要は同じ価値観の中で年代によって温度差があるというものだったようです。
そのため「良い」「悪い」という判断基準が同じになり、全ての年代の患者さんに満足を提供することができたのです。
しかし、現代ではこの「価値観」自体が違う世の中になっています。年代、もっと言えば個人レベルまで「良い」「悪い」という判断基準が異なるのです。
判断基準が違うのですから、全ての方に満足していただくことなど出来ないのです。「何でもある」は「何にもない」のと同義です。
皮肉な話かもしれませんが、全ての方に満足していただこうと思うと、全ての方にある程度の不満足を提供することになるのです。
そのため、全てではなく、特定のターゲットに的を絞る必要があるのです。具体的には、
「ご自分の歯科医院で、この領域なら最大限の満足を提供できる特定層」
をターゲットにするのです。
これがメインターゲット層となります。
この「特定層」とは、年代であったり、性別であったり、年代の中でも趣味趣向であったりと細分化されます。
メインターゲット層を狭く設定するほど、その特定層に対しては高い満足度を提供することが出来るのです。
しかし、メインターゲット層を狭く設定しすぎると、対象人数が少なくなりすぎてしまい、採算が合わなくなる危険性があります。
ですから、このメインターゲット層の設定が歯科医院経営において、キーになるといっても過言ではないのです。