他から学ぶ姿勢で医院が変わる

コンサルティングで歯科医院を訪問した際に、「歯科医院の2極化が進んできていて、当院のような地域では、経営は厳しいよ」という話をよく耳にします。その2極化の要因として考えられることは、日々の取り組みの小さな差の積み重ねが結果的に大きな差になって表れているということです。また、院長の考え方に大きな違いがあるとも感じます。例えば、業績がおもわしくない院長は、過去から現在の歯科医院の在り方を考えますが、業績好調の歯科医院の院長は、未来のあるべき歯科医院像から、現在の在り方を考えるのです。

ですから、業績が好調な歯科医院は、“常に変化している”、“変化をしようとする意志を持っている”のです。

“常に変化する”ことが素晴らしい歯科医院を作るために欠かせない要素でありますが、同じ取り組みであってもちょっとした工夫の違いが、取り組み成果に大きな差となって表れることがあります。今回は、初診パックの配布という取り組みを通して、患者さんの心を掴むための方法をご紹介します。

初診パックとは、初めて自院に訪れた患者さんに対してお渡しするパックのことです。このパックの中身は、医院案内、医院のマグネット、院内新聞、医院からのお願いが書かれたリーフレット、紹介カードなどを入れている医院が多いようです。初診パックの目的は、自院のコンセプトを理解してもらい、他医院との違いを感じてもらうことにあります。また、この初診パックをお渡しする際のポイントがあります。以前、訪問した歯科医院では、初診パックの中身を初回来院時に説明されていました。

具体的には、初診カウンセリングとして、カウンセリングスペースに誘導した患者さんに対して以下のようにお伝えしていました。
「本日は、私たちの医院のことを知ってもらいたいと思いまして、このようなもの(初診パック)をご用意させていただきました。」とお伝えしながら、“医院案内”を取り出しながら、自院のこだわりなどを説明していきます。同様に、“医院のマグネット”をお渡しして、「こちらはマグネットになっていますので、冷蔵庫に貼っておかれて、必要な時にはこちらの連絡先までご連絡くださいね。」とお伝えします。また、“医院からのお願い”には、無断キャンセル等に関する諸注意が記載されており、こちらに関しても理解してもらうようにします。このように、初診パックの中身を1つずつ見せながら、それぞれを説明していくことで初診パックの内容を漏れなくお伝えすることができます。通常、初診パックをお渡ししたとしても、すべてに目を通される方というのはごく少数に限定されます。したがって、このように初回来院時に初診パックの中身を説明することによって、自医のコンセプトを知ってもらうという初診パック本来の目的を十分に果たすことができるのです。

“常に変化する”、“変化しようとする意志”が院長にあるからこそ、このようなアイデアが生まれ、来院者のハートをつかむことに結び付いていくのです。

皆さんの医院でも是非、取り組んでみて下さい。

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