- 2005-7-6
- コラム
毎日のように歯科医院様へおうかがして、コンサルティングの現場で感じることは、歯科医院が患者様を選ぶ時代から、選ばれる時代へと変わり、患者様のニーズが大きく変化してきたということです。
従来のような画一的なサービスの提供では、患者様の多くは、満足しなくなっています。
患者様を画一的に捉え、治療サービスを提供する時代から、個々の患者様が求めるニーズを把握した上で、個別の対応をしていく“パーソナル・サティスファクション(個別満足)”の実現が求められる時代になってきているのです。
ここで、カスタマー・サティスファクション(顧客満足)からパーソナル・サティスファクション(個別満足)へ対応していくために欠かすことができないのが、エンプロイ・サティスファクション(従業員満足)の実現です。
人間は、自己の充足があって、はじめて他者への貢献を考えるものです。
個々の従業員が働く環境、業務内容に不満を抱いたままで、患者様満足の実現を叫ばれても、実現は難しいことでしょう。
リーダーシップ論の代表的存在であるリカートは、業績の高い組織と、そうでない組織の類型を以下のように説明しています。
リカートは、組織を「独善的専制型」、「温情的専制型」、「相談型」、「参加型」の4つのタイプに類型化し、この中で最も有効な組織は、スタッフのことを信頼して業務に取組む「参加型組織」であるとしています。
また、この組織の特性から、最善のリーダーシップは、「仕事中心型のリーダーシップ」ではなく、「従業員中心型のリーダーシップ」であると述べているのです。
つまり、治療技術や経営のノウハウがどんなに高くても、スタッフへの配慮や適切な指導ができなければ、組織は機能しないケースが多いということなのです。
今日は、スタッフの満足度を高めることにより、組織を一体化させ、医院改革に取組む場合に実施すべきポイントをいくつかご報告いたします。
◇数値目標を全員で共有化する
自院の保険点数、患者数、自費金額、新患数、リコール率、キャンセル率、等の経営数値をスタッフへ公開して、スタッフが業績の推移を確認できる体制にする。
自院の保険点数、患者数、自費金額、新患数、リコール率、キャンセル率、等の経営数値をスタッフへ公開して、スタッフが業績の推移を確認できる体制にする。
◇定期的にミーティングを実施する
定期的に経営や診療についてのミーティングを実施する。
定期的に経営や診療についてのミーティングを実施する。
◇プロジェクト・チームを運営する
ミーティングでは、各スタッフに役割(プロジェクトチーム)を与え、課題についての進捗状況を発表する場とします。自主的に課題の発見・解決ができるような仕組みを構築します。
ミーティングでは、各スタッフに役割(プロジェクトチーム)を与え、課題についての進捗状況を発表する場とします。自主的に課題の発見・解決ができるような仕組みを構築します。
◇コーチングを実施する
スタッフの個人目標に対する達成度と今後の達成のための課題を明確にし、スタッフが自らの成長ために業務に取組んでいることの自覚を促すためにコーチングを実施する。
スタッフの個人目標に対する達成度と今後の達成のための課題を明確にし、スタッフが自らの成長ために業務に取組んでいることの自覚を促すためにコーチングを実施する。
◇院長から率先して挨拶を行なう
スタッフに対して、「おはようございます」、「ありがとう」等の言葉を院長自身が率先して発することで、院内の雰囲気を率先して明るくしていきます。
スタッフに対して、「おはようございます」、「ありがとう」等の言葉を院長自身が率先して発することで、院内の雰囲気を率先して明るくしていきます。
◇スタッフの両親へ「母の日、父の日のプレゼント・手紙」を贈る
母の日や父の日には、院長先生からスタッフのご両親へ感謝の手紙とともにプレゼントを送付し、間接的にもスタッフのモチベーションを高める努力を行ないます。
母の日や父の日には、院長先生からスタッフのご両親へ感謝の手紙とともにプレゼントを送付し、間接的にもスタッフのモチベーションを高める努力を行ないます。
◇スタッフへの感謝の気持ちを手紙にする
給料日には、給与明細を渡すだけでなく、「いつも一生懸命頑張ってくれてありがとう。患者様のお出迎え、お見送りもうまくなったね」等の感謝の気持ちを言葉や手紙であらわす。
給料日には、給与明細を渡すだけでなく、「いつも一生懸命頑張ってくれてありがとう。患者様のお出迎え、お見送りもうまくなったね」等の感謝の気持ちを言葉や手紙であらわす。
これ以外にも、スタッフのモチベーションを高め、一体化するために取組むべき課題は、多数あるかと思います。
この他にも、こんな方法で成功したよという成功事例をお持ちの先生方がいらっしゃれば、コメント欄やトラックバック欄にご記入いただき、皆で情報を共有化できればと思います。
デンタル・マーケティングは、少しでも、皆様の歯科医院の経営改善のお手伝いが出来ればと考えております。
皆様とお会いできるのを楽しみにしています。