- 2016-3-8
- コラム
ご存じのとおり、歯科は保険診療と自費(自由)診療の大きく2つに大別されます。
自費診療のほうが、患者様に良い歯科材料/治療を提供できるのですが、自費診療を選択される患者様の経済事情等もあり、売上における自費比率を安定・向上させるのは容易ではありません。
その中で、20%を下回っていた自費率が、半年間で40%にアップした、ある歯科医院の取り組みをご紹介します。
1.コンサルティング内容標準化
従来担当者に一任されていたコンサルティングの内容を見直し、内容を標準化しました。
「何回目の治療のどのタイミングでコンサルティングを行なうのか」、「誰がコンサルティングを行なうのか」、「アポイント帳にコンサル欄を作り、コンサルのみの予約を入れる」、等を行ないました。
2.説明ツール活用
以前から模型等の説明ツールや配布物は活用していましたが、補綴のコンサルに関しては、効果的なツールが存在しませんでした。
そこで、補綴の説明時に活用する、写真や価格、メリット・デメリットの入ったメニュー表を作成しました。
その結果、「こんな治療もできるんですか?今まで知りませんでした。前から知っていれば、自然の歯の色に近いものにしたんですが…。」とオールセラミッククラウンを希望される例等、自費治療アップにつながるケースが増えました。
3.コンサルティングスペース確保
この歯科医院では、床面積の関係上コンサルティングスペースを確保するのが難しい状況でした。
そこで、2人が横に並んで腰掛けられる程度の小さなテーブルを購入し、コンサルティングを実施する工夫をしました。
すると、患者様の本心を聞ける機会が増える等、直接自費売上にはつながらないケースでも、以前よりも深い信頼関係を構築することが出来たそうです。
自費比率向上を考える時に忘れてはならないのは、自費比率アップの目的です。
自費率アップの本来の目的は、単に売上高を上げることだけではありません。
ドクターをはじめとする従業員一丸となって、患者様への歯に対する価値観を向上させる啓蒙活動により、患者様から保険では対応出来ない治療領域を求められ、自然と自費治療に移行すること。
つまり、患者様満足(個々の患者様のウォンツへの充足)の実現こそが、その目的の本質なのです。